外国為替証拠金取引リスク・リウォードを見直す

相場動向とは然程関係がありませんが、ここ最近の投資信託以外の相場の難しさや、昨今のハイレバレッジブームを背景としたマネージメント意識の欠乏により、大きな損失を被る方が多発している(推測の範疇ですが・・・)ことを受けまして、FX 取り引き特有のマネージメント能力を身に付けることで、少しでも大きな損失を被る機会を減らすことが出来ればという意図でのシリーズです。「リスクとリウォード」の関係についてです。リスクとはそのまま「取引に対するリスク」、即ち為替差損です。対するリウォードとは「報酬」、つまりリターン(為替差益)と解釈すれば良いと思います。機関投資家の大半は、リスクはこのくらい、リターンはこのくらい、と事前に目星をつけてエントリーしますので、例えば上値余地が限定的であるのに、無理してその取引に入ることはしません。実際に取るリスクに見合ったリターンが得られるかをしっかり見極めます。FX 先物取引は個人間に開放された市場ですので、金融機関のように厳密なリスク管理のもと、上記のようなマネージメントを行う必要もないかもしれませんが、特にFXはマージンですので、短期間で資金を倍にすることが出来る反面、不動産担保ローン資金を半分に減らしてしまうことも非常に容易いことです。ましてや、ここ最近は「レバ200〜400」という一発逆転的な取引を前面に打ち出していますので、例えば「これは失ってもいいお金」という割り切りのもと、こうした取引にチャレンジするのは良いのですが、そういう意識がない方がこうした脱毛にチャレンジしても、精神的な余裕がありませんので、総じて上手くいくことはありません。機関投資家間でよく意識される「リスク&リウォード」は、1対3と言われています。例えば「30銭取りに行くのであれば、10銭逆に行けば損切りしましょう」という意味合いです。これであれば、3戦中2敗しても、最後1勝すれば資金が減ることはありません。最悪1対2でも良いかも知れませんが、それ以下になってしまうと実は「勝っている気分だけでお金は増えない」(もしくは減っている)という状況に陥ります。特に、為替相場のブレの範疇での値動きを狙って、高いレバレッジで取引をしている場合に散見さるケースで、そうした場合のほとんどがポンド円などの比較的振れ幅の大きな通貨を取引しています。もちろんクロス円なので、スプレッドも比較的ワイドかと思いますので、ポジションを取った時点で、上記リスクの50%くらいはスプレッドで喰われてしまうことになりますが、実際にハイレバレッジ取引の本格的な戦いは「含み益となったポジションをどこまで継続できるか」が焦点となります。もちろん、指標発表等でサプライズ的な動意となっている場合は結構なのですが、単なるブレの範疇での数pips抜きとなると、「せっかく含み益が出ているのに、含み損になったらたいへん」というハイレバレッジ特有の心理に支配されてしまいますので、僅か10pipsも行かずにクローズしてしまう可能性が高くなります。特にレバレッジが高いほどこうした心理が強く行動に出てしまいますが、確かに利益が乗っていたポジションが含み損になってしまうという精神負担は、耐え難いものがあるうえ、レバレッジが高ければ高いほど、この精神負担は重くのしかかります。仮に、ポンド円のスプレッドが6〜8銭に対して、利食いが5銭だったとすると、「利食いが早く、損切りが遅い」ということになりますので、いつか大きな損失を被る可能性が高いということになります。例えば、ポンド円のプライスが「210.50-58」のときに100Lotロングメイクしたとします。ポジション取った時点では8万円のLossです。冒頭でお話しいたしました「1対3」のリスク・リウォードでトレードするのであれば、仮に20銭の許容ロスであれば「210.38-46」でストップ、利食いはその3倍の60銭となるので「211.18-26」です。「210.50-58」の時点から「210.38-46」なんて、たったの12銭しかありませんが、利食い目標である「211.18-26」は、遥か遠くに感じますよね・・・そもそもこのトレード自体に無理があるような気もしますが、そのポジションが不利な方向に動いてしまった際の傾向としては、やはり「もう少ししたら戻るだろう・・・」という甘えが生じ、結果的にいとも簡単に30万とか、50万とかの損失を被ってしまうのです。それで終わればまだ良いのですが、その損失を取り返そうと、次のトレードではさらにアマウントが増え、レバレッジの度合いも増え、かなり攻撃的なトレードに変貌して行くと、破滅の始まりになります。一昔前の大和銀行NY支店での巨額損失事件と同様のケースです。例えば、総pips数でお話しした場合、100Lotのトレードで10pips取りに行くのか、10Lotのトレードで100pips取りに行くのかの違いなだけですが、当然前者の方が機会も多いし、時間も掛かりません。ただし、絶対的なメリットは、2番目の「時間が掛からない」という点なだけで、1番目の「収益機会が多い」という点は、逆に言えば「損失機会も多い」ということが言えますし、精神的な負担も非常に大きく、上手くいったときの喜びは「トレードに対する喜び」ではなく、「精神負担からの開放に対する喜び」に変化しています。後者の場合、時間的観点、機会的観点を見ても不利だとは思いますが、逆に行ってしまったときの損失額、精神負担はハイレバレッジと比較しても軽微かと思いますし、何より「トレードに対する喜び」が、次のトレードに結びつくのではないかと思います。決してこうしたトレードを否定するわけではありません。ただ、こうしたトレードで収益を上げている方の大半は、資金の特徴(ある意味、失っても平気な資金)が違いますし、プライスアクションに馴れている方、逃げ方の上手い方、直感的に「おかしい」と感じる方など、それなりにトレードの経験を積んでいる方が大半ではないかと思います。巷で散見される「1年で○○万円が数千万円!」と言った文言に惑わされることなく、着実なトレードを心掛け、ある程度利益が積みあがったところで、こうしたハイレバレッジトレードでのスリルを味わえに行けば良いのではないかと思います。